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ハル・ベリー主演映画『キャットウーマン』感想/ラジー賞

キャットウーマン

■あらすじ『大手化粧品会社のデザイナー、ペイシェンス(ハル・ベリー)は、会社でもプライベートでも自分に自信が持てない冴えない女性だった。ある夜ペイシェンスは、発売直前の新作クリームに隠された秘密を立ち聞きしてしまった為に殺されてしまう。その時、彼女の体に異変が起こる。再び目を覚ましたペイシェンスは、驚異的な反射神経と跳躍力を持つ、自信に満ちたキャットウーマンとなっていた!自分を殺した相手と理由を探るうちに、ペイシェンスはヘデア社の恐ろしい陰謀を知る…!ネタバレ感想・評価』



本作は『バットマン』に登場するキャラクターの1人だったキャットウーマンを主役に抜擢したスピンオフ企画である。しかし、脚本家が次々と交代したり、キャットウーマン役もアシュレイ・ジャッドニコール・キッドマンと二転三転するなど、撮影前からトラブル続きだったようだ。

さらに現場ではシャロン・ストーンが大暴れ。やれ、脚本を書き直せだの、衣装が気に入らないだの、本番中に携帯電話に出てしゃべりまくるだの、やりたい放題だったらしい。

しかし、本当の問題はキャットウーマンのコスチュームが発表された瞬間に始まった。上半身ビキニでヘソ・背中丸出しのデザインに世界中のバットマン・マニアからブーイングが殺到したのである。

困惑したワーナーは、コスチュームや舞台設定を原作に近づけるように命じたが、ピトフ監督が全く従おうとしなかったために、一時は別の監督で撮り直す事も検討されたらしい(万が一の事態に備えてハル・ベリーもスケジュールを空けていたそうだ)。

結局、何とか映画は完成したものの、事前の予想通り評価はボロボロ、興行成績も全く振るわず、挙句の果てにハル・ベリーは2004年のゴールデン・ラズベリー賞で最低主演女優賞まで受賞してしまったのである。

さらに映画『キャットウーマン』自体も最低映画賞、最低監督賞、そして最低脚本賞と見事に三冠を獲得し、正真正銘の「ダメ映画」の烙印を押されてしまったのだった。内容については特に書く事も無い。「さすがラジー賞」と納得の出来栄えである、とだけ言っておこう。

しかも驚くべきことに、この不名誉な授賞式になんとハル・ベリー本人が登壇し、自らスピーチを行ったのである。当たり前だが、「最低女優」の烙印を捺される場所にわざわざやってくる女優なんて滅多にいない。過去に登壇したのはハル・ベリーサンドラ・ブロックの二人だけだ。

そんなハル・ベリーは、名前を呼ばれるとわざとらしく喜びながら登場し、「私一人の力だけでラジー賞は取れません!」「最低のスタッフに囲まれたおかげです!」「この仕事を取ってきたマネージャーと、この役に私をキャスティングしてくれたワーナー・ブラザースに心から感謝します!ありがとう!」と自虐的なコメントを連発した。

このスピーチに満員の聴衆は大喝采ハル・ベリーの評価はますます高まったのである。すげえなハル・ベリー(^_^;)