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クリスチャン・ベイル主演『サラマンダー』感想

サラマンダー

■あらすじ『ロンドンの地下工事現場で、主人公のクイン少年は巨大な生物を発見するが、それは今から6500万年前、地上を支配していたドラゴンだった。永き眠りから目覚めたドラゴンは恐るべき破壊力で世界を壊滅させてしまう。そして20年後、たくましく成長したクイン(クリスチャン・ベイル)は、生き残った人々のリーダーとなり、必死になってドラゴンと戦っていた。そんなある日、アメリカからヴァンザン(マシュー・マコノヒー)率いる義勇軍がやって来ると、ドラゴンを倒す為にクインたちに協力を求める。果たして彼らはドラゴンの脅威から人類を救う事が出来るのか!?』



本作の特徴は、普通ならファンタジー映画の生物であるドラゴンを現代に登場させ、武装した人間たちと激しい戦闘を繰り広げる“モンスター・アクション映画”を作ってしまったという事でしょう。日本の怪獣映画にも通じる斬新な世界観です。翼を折り畳んだ姿で工事現場の坑道をよじ登ってくる迫力満点の登場シーンから始まり、空から舞い降りて凄まじい炎を吐きつける凶悪さ!

そして巨大な翼をダイナミックに羽ばたかせて、大空を自在に飛び回るしなやかなボディーなど、全編にわたってドラゴンをフィーチャーするシーンが目白押し!特に、クインたちの砦を襲撃し、闇夜に燃え盛る炎に照り映される優美な姿は、数あるドラゴン映画の中でも屈指の名シーンと言えるでしょう。ドラゴン好きは必見です!

また、個性溢れる豪華なキャスティングも見所の一つ。主人公は『アメリカン・サイコ』や『リベリオン』などで注目を集め、最新作『バットマン・ビギンズ』では主役のバットマンを演じる人気俳優のクリスチャン・ベイル。「ドラゴン退治」のリーダー・ヴァンザンを演じるのは、『評決のとき』『U-571』『ウェディング・プランナー』など、出る映画毎にイメージを変える“カメレオン俳優”こと、マシュー・マコノヒー。今回は、“ハゲ頭にヒゲぼうぼうで筋肉隆々のマッチョなスタイル”で観る者の度肝を抜きまくります。僕もはじめて見た時、「誰だ、このゴツいおっさんは?」マシュー・マコノヒーであることに気付きませんでした(笑)。

さらに、勇敢なる女性パイロット・アレックスを演じるのは、『007・ゴールデンアイ』でボンドガールを演じ、『バーティカル・リミット』ではクリス・オドネルと共演したイザベラ・スコルプコです。またクインの友人役で、『オペラ座の怪人』で大ブレイクしたジェラルド・バトラーまでもが出演しています。

それにしても、本作のドラゴンは生々しく存在感に溢れており、恐ろしさと同時にカッコ良さも合わせ持った実に見事なデザインですねえ。世界でも一流のVFXスーパーバイザーたちが集結して作り上げたヴィジュアルは、フルCGだけでなく実物大の模型まで制作し、徹底的にリアリティを追及した結果なので当然かもしれませんが、その凄まじい迫力には圧倒されること間違いなし!

しかし面白いのは、パンフレットに押井守が延々4ページにも渡ってマニアック極まりない解説を載せている事です。自称ドラゴン評論家(笑)の押井監督は、本作を「ドラゴン・マインドに溢れたいい映画だ」と絶賛しながらも、「戦車部隊が弱すぎる」とか「なぜ犬が出てこないんだ」など、いつものように自分の趣味丸出しで不満をぶちまけているのが笑えました。ていうか、ドラゴン評論家って何なんだ???