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映画『ギャラクシー・クエスト』感想

ギャラクシー・クエスト

■あらすじ『テレビの人気シリーズ「ギャラクシー・クエスト」で宇宙船の乗組員を演じた出演者たちが、ある日突然、訳の分からぬままに本物の宇宙船に乗せられて、宇宙の彼方に連れ去られてしまった!宇宙人たちのとんでもない勘違いのおかげで、いつの間にか凶悪エイリアンと戦うハメになった役者たち!彼らの運命はいったいどうなる!?即席クルーたちが大宇宙を舞台に繰り広げる成り行き任せの活躍を描いた、爆笑と感動のSF・コメディ・アドベンチャー!』


本作はいわゆる「おバカ映画」テイスト満載の、ドタバタ宇宙戦争コメディです。ベースとなったSFドラマはもちろんスター・トレック。この映画は『スター・トレック』のファン活動と、その後の出演者たちの状況をうまくパロディにした快作なのです。

でもシチュエーションこそ奇想天外ですが、「一生懸命やっていれば、いつかは必ず報われる」という、気恥ずかしいまでにストレートなテーマなので、『スター・トレック』を知らない人にも楽しめると思います。そして有名な俳優たちが、真剣そのものでドタバタ劇に取り組んでいる姿がなによりも面白い!

主役タガートを演じるティム・アレンの、カーク船長そっくりな芝居も見所の一つ。また、『ダイ・ハード』で凶悪テロリストのボスを演じ、常にシリアスな役柄が多いアラン・リックマンが、全編ヘンなトカゲ頭をつけたまま奮闘させられるドクター・ラザラス役を、大真面目に演じているのも爆笑ポイントです。「こんなバカバカしい役なんか、やってられるか!」と怒鳴りまくるドクターのキャラは、案外リックマンの本心なのかもしれません(笑)。

中でも最も驚かされるキャスティングは、シガニー・ウィーバーでしょう。『エイリアン』シリーズでは“鉄の女”と形容され、凛とした強さを発揮した彼女ですが、なんと本作では大胆に胸の開いたコスチュームを身に着けて、セクシー・ポーズを取りまくります!

一応、マディソン中尉という士官の役なのですが、その扱いはバラエティ番組における巨乳タレントとなんら変わりません(とにかく尋常でない胸のデカさです)。しかも、激しい戦闘シーンが起こるたびに服がどんどん破れて露出が多くなっていくというサービス付き!よくこんなバカバカしい役を引き受けたものだと、感心せずにはいられません。

しかし一見すっとぼけた映画に見える本作も、信じてくれていたエイリアンたちに自分たちが役者だとばれてしまった後、それまで右往左往していた主人公たちが一致団結して宇宙船を操縦するシーンは驚くほど感動的です。特に、自分を慕っていたエイリアンが死んでしまってから、プライドをかなぐり捨てて猛然と敵に戦いを挑むドクター・ラザラスの勇姿は、涙無くしては観られません(いやマジで)。

この映画の凄いところは、単なる『スター・トレック』のパロディに終わらず、最終的には観るものの心を揺さぶるほどの感動ドラマに昇華させてしまったところなのです。まさかこんな映画で泣けるとは、完全に想定の範囲外でした(笑)。俳優の意外性も含めて、思いがけない拾い物と言えるでしょう。

しかしこの作品、本国では不評で日本公開も半ば絶望視されていました。ようやく単館ロードショーのみ実現したものの、知らない人も多いのではないかと思います。ああ、実にもったいない!これぞエンターテイメントの鏡、騙されたと思って観てください!


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