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『ポリス・ストーリー/香港国際警察』映画感想

ポリス・ストーリー/香港国際警察

今月は買わなければならないDVDが大量に発売されるので、お金のやりくりが大変なのだ。韓国映画の『オールド・ボーイ』、アメコミ映画の『ヘルボーイ』、大友克洋の『スチーム・ボーイ』。何だかやたらとボーイが多いような気がするが、単なる偶然だ。

さらにこれ以外にも買いたいDVDは2〜3本ある。果たして金は足りるのか?などと考えていたらいつの間にか『ポリス・ストーリーDVD-BOX』を買っていた。ぎゃああああ!

アホか俺は!?いやだって5000個の初回限定生産なんだもの…。なんか「今買わなきゃ、二度と手に入らないかも!」という切羽詰った気分になってしまうのだ。

しかし、同じく限定生産だった『マトリックス・アルティメット・コレクション』が、近所の家電店で6980円で叩き売られていたのはショックだったなあ(やはり定価15000円が高すぎたのか?全然売れてねえじゃん!)。“限定生産”、まさにマニアを操る魔法のフレーズだ!



■あらすじ『正義感溢れるチェン刑事(ジャッキー・チェン)は、麻薬シンジケート一味の逮捕に成功する。裁判の鍵を握るサリーナの護衛を引き受けたチェンは、襲い掛かってきた殺し屋たちを撃退。しかし敵のワナにはまり警官殺しの濡れ衣を着せられてしまう。』



ジャッキーの驚異的な生身のスタントを惜しげもなく詰め込んだ、問答無用のアクション超大作だ。ジャッキー本人がマイ・ベストに挙げるほどの凄まじい完成度を誇る本作は、20年経った今見ても間違いなく最高傑作であると断言できるほどに素晴らしい。スタント、バトル、アクションが極めて高次元で融合された、まさに完全無欠の一大エンターテイメント!

ハリウッドのアクション映画にも確実に影響を与えた(冒頭のカーアクションは、バッドボーイズ2バッドに堂々とパクられた)と思われる数々のアクロバット・アクションは回を重ねるごとに高度になり、もはや芸術の域にまで達していると言っても過言ではない。

当時劇場でこの映画を観た僕は、常軌を逸した前代未聞のアクションの数々にアゴの骨がはずれそうになるほどの衝撃を受けた。個人的には、本作でジャッキー・アクションは一つの頂点に達したと思っている。

冒頭から民家を破壊しながら急斜面を駆け抜ける驚愕カーチェイスや、疾走中のバスに傘一本でよじ登るといったムチャなアクションを炸裂させ、観客の度肝を抜きまくる!

犯人が乗ったバスを止めるシーンでは、手前に止まりすぎてスタントマンがダイレクトに地面に落下するというアクシデントまで発生。はっきり言って単なる事故でしかないのだが、それをそのまま本編で使用するという大胆不敵さには開いた口が塞がらない。

そしてクライマックスでのデパートを縦横無尽に使った大乱闘では、飛燕抄水、弓歩架打などありとあらゆるカンフーの技を、ジャッキーならではのスタイリッシュなアレンジによって次から次へと爆発させる。

さらに人間の限界を超えた凄絶スタントが続出し、エスカレーターやガラスケースの上に次々と人間が落下!挙句の果てにはバイクで跳ね飛ばされるという悶絶アクションまで飛び出し、もはや失神寸前だ!

しかもジャッキーばかりか、ブリジット・リンやマギー・チャンなどの美人女優までもが情け容赦無く階段から突き落とされたり、ガラスを突き破ったりといった驚愕スタントでズタボロにされまくる!もはや何かに取り憑かれているとしか思えないような、人権蹂躙アクションのつるべ打ち!

ラストは50メートルの柱をつたって一気に一階まで滑り降りる大アクションをノースタントで敢行。まさに全編フルスロットル、アクセル踏みっぱなし状態でスタッフ全員完全に狂っているとしか言いようがない。

エンディングのNG集を見ると、脳の全機能が停止する。負傷者続出で、映画の撮影現場というよりも戦場といった方が正しいような、阿鼻叫喚の地獄絵図!出演者がゾンビか、もしくはメチャクチャ命が安くない限り『ポリス・ストーリー』は完成しなかったに違いない(ちなみに本作と同時進行で「ファースト・ミッション」も撮影しており、当時は殺人的な忙しさだったらしい)。まさに生涯アクション・バカ一代!