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『スター・ウォーズ:エピソード2 クローンの攻撃』感想

エピソード2

本作は『ファントム・メナス』の大失態で世界中のファンを落胆させたジョージ・ルーカスが、万全の体制で製作した続編である。「今度こそは…!」と祈るような気持ちで待ち続けたファンであったが、「クローンの攻撃」という50年前の特撮映画のような古臭いサブタイトルが発表された瞬間、世界中から抗議が殺到するという波乱の幕開けとなってしまった。

しかし実際に公開された映画は、(色々問題はあるものの)前作より遥かに面白い映画に仕上がっており、ようやくファンの溜飲を下げる事が出来たようだ。まず、アナキン・スカイウォーカーが成長して活躍の場が増え、きちんと主人公としての役割を全うしているという点が重要だ。これにより、やっとアナキンの物語だという事が分かるようになった。

また、メカのデザインがかなり改善されている点もありがたい。特にクライマックスの地上戦は大量の新型メカが入り乱れて戦う、戦争映画さながらのド迫力に満ちている。旧作のインペリアル・クルーザーに良く似たリパブリック・アサルトシップ。スノー・ウォーカーAT-ATタイプのAT-TE。

そして大地を埋め尽くすバトル・ドロイドの大軍団!まさに『スター・ウォーズ』の名に相応しい、一大スペクタクル・バトルシーンだ!そして本作の目玉とでも呼ぶべき名場面は、ドゥークー伯爵対マスター・ヨーダの壮絶なライトセーバー戦である。

「ダークサイドの力を感じるぞ、ドゥークー伯爵!」そう言っておもむろにライトセーバーを取り出すヨーダ。この瞬間、アメリカの劇場では拍手と大歓声が沸き起こったそうだ。今までのヨーダフランク・オズが操るパペット人形がほとんどだった為、動きに制限があった。

しかし本作ではフルCGで作られたヨーダが、画面狭しと暴れ回る!ドゥークーの攻撃をフォースで退け、ライトセーバーを手に信じられないようなアクションを炸裂させるのだ!常識的に考えれば、長身のドゥークーとサルのようなヨーダでは同一画面でのアクションなど成立するはずが無いのだが、不思議な事にちゃんと成立しており、しかも想像を絶するほどかっこいい!ここが本作のハイライトだと言っても過言ではないだろう。

だが逆に「マジかよ、ルーカス…」とファンを絶望のどん底へ叩き込む様なへっぽこシーンも存在する。それが、アナキンとアミダラが草原へピクニックに出かけるシーンだ。2人で遊んでいる時に、いきなりアナキンが気を失ったフリをする。心配したアミダラが駆け寄ると、そのまま抱き合って笑いながら草原を転がるという、ロシアの永久凍土並みの”さぶさぶ・シチュエーション”が炸裂するのだ。

正直、「何かのギャグか!?」と思わずにはいられないほどのカビ臭いセンスには脱帽せざるを得ない。アメリカの劇場では、観客全員がこのシーンで大爆笑したそうだ。今時堂々とこんな演出を採用するあたり、やはりジョージ・ルーカスはタダモノではない!果たしてエピソード3はどうなるのか!?