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『スター・ウォーズ:エピソード1ファントム・メナス』感想

エピソード1

本日「王様のブランチ」を見ていたら、『スター・ウォーズ:エピソード3 シスの復讐』の予告編が流れていた。顔に謎の傷を負い、鋭い眼光を放つアナキン・スカイウォーカー。彼が闘っている相手はなんとオビ・ワン!ついにアナキンはダークサイドに堕ちてしまったのだ!ジェダイの騎士団とヨーダは、パルパティーンと激しいライトセイバー戦を繰り広げる。

そして無数の宇宙船による凄まじい戦闘シーン。Xウィングのような戦闘機も飛びまくっている(でも良く見たら翼が6枚ある!)。う〜ん、相変わらず予告編だけは物凄くかっこいいなあ。これで本編が面白かったら、文句無いんだけどなあ。しかし三部作の完結編なので(というかスター・ウォーズ・シリーズの完結編?)、観ないわけにはいかんだろう。とりあえず、期待と不安で7月9日の公開を待つ事にしよう。



スター・ウォーズ:エピソード1 ファントム・メナス
もはやその名を知らぬ人はいないであろう、と言われるほどの有名なSF映画スター・ウォーズ』。その第一作目にあたるエピソードを20数年ぶりに再びジョージ・ルーカスが監督するという事を知って、世界中のファンが狂喜乱舞した。公開当日は長蛇の列が出来、大変なお祭り騒ぎとなったのだ(当然僕も初日に観に行った)。

「遠い昔、遥か銀河系の彼方で……」に続いてタイトル・ロゴが出た瞬間、場内は歓声に包まれた!響き渡るジョン・ウィリアムズの壮大なBGM。まさにファンが待ちに待った最新作。しかし残念ながら、そこが『エピソード1』のピークであった。

物語は複雑な設定や情報を詰め込み過ぎた為に分かり辛く、ドラマのテンポは遅く、そして登場人物には感情移入出来ないといった惨憺たる有様だ。だいたい主人公が誰なのか、それすらはっきりしないのは大問題だろう。ドラマ的にはアナキンが主役のはずだが、全然主役としての役割を果たしていない。

それにも増してファンを落胆させたのは、あまりにもかっこ悪いメカの数々だ。旧三部作がファンを魅了した理由の一つは、ミレニアム・ファルコン号を初めとするかっこいいメカがあったからだという意見に異論は無いと思う。にもかかわらず、『エピソード1』に出てくるメカは、どれもこれも我が目を疑うほどのかっこ悪さ!いったいどうやったらこんなダサいデザインを思いつけるのかと、当然の事ながらファンの非難はメカ・デザイナーのダグ・チャンに集中した(悪いのはジョージ・ルーカスなんだけど)。

しかしこんな映画になってしまった最大の元凶は、ジャージャー・ビンクスである事に疑いの余地は無い。単なる狂言回しのクセに最初から最後まで画面に映りっぱなしで、うっとおしい事この上ない。しかも物語に何の関係も無いふざけた言動の数々で、常に観る者の神経を逆なでする。おまけにクライマックスの戦闘シーンでは、結構活躍したりするものだから余計に腹が立つのだ。

この”ジャージャー問題”に関しては世界中のファンから「ジャージャー死ね!」「ウザい!」などの罵倒メールが殺到して大変な騒ぎとなったらしい(ちょっとやそっとではとても擁護できないほどの凄まじいブーイングに、さすがのルーカスも頭を抱えたそうだ)。さらに、第20回ゴールデン・ラズベリー賞ワースト助演男優賞を獲得するという快挙まで成し遂げてしまった。

挙句の果てには本作がビデオ化された時に熱心なファンが、ジャージャーが出ているシーンを全てカットした「逆完全版」を勝手に作ってネット上で公開するという騒ぎにまで発展。タイトルは『ファントム・エディット』。しかもこの「ジャージャーが出ないバージョン」が異常に出来が良く、「オリジナル版よりも遥かに面白い!」と大評判になり、ついにビデオ化され、レンタルビデオ屋で貸し出されるまでになってしまったのである。

噂によるとこのビデオを作ったのは現役の某有名編集マンで、元々熱烈な『S・W』ファンだった彼は『エピソード1』を観てそのあまりにも不甲斐無い内容に激怒し、とうとう自前の編集機材を駆使して自分が納得できる『オレ流エピソード1』を作り上げてしまったのだそうだ。要するに海賊版なのだが、その見事な編集技術のおかげで「本家よりも良くなってしまった」という、世界でも珍しい海賊版なのである。

ちなみに、ジョージ・ルーカスもこのビデオを見たらしいが、内容に納得したのか訴訟などは起こさなかったようだ。そして、これが原因でルーカスが心を入れ替えてくれたのかどうかは分からないが、『エピソード2』ではジャージャーの出番が激減し、多くのファンはホッと胸を撫で下ろしたのである。