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『チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル』感想

チャーリーズ・エンジェル・フルスロッ

★ストーリー『3人のエンジェル達の新たな任務は、モンゴルで始まった。誘拐された重要人物・カーターを救い出した3人だったが、彼の持っていた重要な証人のデータが全て記録された指輪『HALOリング』が盗まれた事を知る。やがて3人は捜査を進めるうち、黒幕の中に意外な人物が隠れていたことを突き止めた。なんと今回の彼女たちの敵はかつての“伝説的”エンジェルのマディソン(デミ・ムーア)だったのだ!前作よりさらにパワーアップしたお色気アクションシリーズ第2弾!』という触れ込みだったのだが・・・



前作の『チャーリーズ・エンジェル』は傑作だった。半裸の姉ちゃんがひたすら暴れまくるという、男子中学生の妄想が爆発したような頭の悪いストーリー展開でありながらも、圧倒的なテンションで一気に見せ切るスピード感は実に天晴れだと言うしかない。ところが監督も出演者もほぼ同じメンバーで作られた続編なのに、どういうわけかあまり面白くないのだ。
原因は『チャーリーズ・エンジェル』の基本コンセプトである「エロ&カンフー」がパワーダウンしているからだと思う。特にカンフー・アクションは大幅に減少し、代わりにCG*1が大量投入されているのはいかがなものか。CGだらけのバイク・アクションを延々と見せられても、ちっともワクワクしないのだ。

一応「ダンス」「コスプレ」「下品なジョーク」というどうでもいい部分だけが無駄にパワー・アップされており*2、とりあえず『チャーリーズ・エンジェル』としての体裁は保っていると言える。しかし最も大事なコンセプトをないがしろにして、いったい何がフルスロットルなのか!?前作は“MTVのような映画”と呼ばれ高く評価されたが、こだわりを失った本作にはエンターテイメントとしての価値は微塵も無く、“映画のようなMTV”へと成り果てているのは非常に残念な事である。もはや映画とは呼べない。

*1:今回CG製作を担当したVFXスーパーヴァイザーのマーク・ステットソンはあまりにもタイトなスケジュールの為に何度もぶっ倒れそうになったらしい。冒頭のヘリコプターが落下するシーンは、たったの2ヶ月で作らなければならなかったそうだ。「毎朝7時半に会社に来て、終わるのは夜中の3時という生活がずっと続いたよ。もう間に合わないかと思ったけど、やれば出来るもんだ」と告白。いや、やっちゃいかんだろ!?(笑)

*2:キャメロン・ディアスが獣医に扮し、牛の出産に立ち会うシーンがある。牛の赤ちゃんを取り上げる場面が異常にリアルで「良く出来たダミーだなあ」と感心したのだが、なんと本物の赤ちゃんだった。