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『パール・ハーバー』ネタバレ映画感想

パール・ハーバー

■あらすじ『パイロットのレイフ(ベン・アフレック)とダニー(ジョシュ・ハートネット)は幼馴染で親友だった。第二次大戦中、レイフは志願してイギリス空軍に入隊するが、恋人のイヴリン(ケイト・ベッキンセール)を残す事と、ダニーに志願を隠していた事が心残りだったのだ。そして1941年、ハワイに転属となったダニーとイヴリンの元にレイフ戦死の知らせが届いた。悲しむイヴリンを励まそうと努めるダニーはいつしか彼女に魅かれていく。しかしある日、遅すぎる奇跡が起こってしまった・・・!戦場を舞台に繰り広げられる、愛と青春の感動大作!』



45分にも及ぶ真珠湾攻撃のシーンやそのタイトルから、誰もが本作を「戦争映画」だと思っている事だろう。しかし残念ながらそれは間違っている。

プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは「あくまでも娯楽映画であり、歴史の教科書を作るつもりはなかった」と発言しているし、監督のマイケル・ベイは、零戦の色を真珠湾攻撃当時のものではなく「好みだから」という理由だけで勝手に濃緑色の塗装に変更しているのだ。

また配給会社の宣伝戦略も徹底しており、ある雑誌が本作を「戦争映画」として取り上げようとしたところ、「これは戦争映画ではなく、ラブ・ストーリーですッ!」と厳しく訂正されたらしい。

そして映画の内容はさらに驚愕すべきもので、なんと真珠湾攻撃そのものがドラマにあまり関係が無い、という恐ろしい構成になっているのだ。大げさな音楽とあざとい演出で無理矢理“恋愛ドラマ”を盛り上げようとする本作は、まさに「大金をかけた昼のメロドラマ」と言っても過言ではないだろう。

中でもヒロインのケイト・ベッキンセールが真っ赤な衣装をひらひらさせて、陸軍航空隊基地内をねり歩くシーンから感じる違和感の凄まじさはタダ事ではない。彼女は「出演料が安い!」と言って断ったグウィネス・パルトロウの代役として、たったの2500万円という格安なギャラで出演したらしい。

しかし、あまりにも安過ぎるギャラにすっかりやる気を無くしたのか、「このキャラクターって、どこがいいのか良く分からないわ」と脱力するようなコメントを連発している。とにかく「どこがダメ?」と聞かれたら「何もかも」としか答えようが無いほど酷い映画なのだ。

何故こんな映画がヒットしたのか不思議に思っていたのだが、実は世界的に見ても非常に評判が悪く、かろうじて黒字になったのは(皮肉な事に)ほとんど日本だけだったらしい。

本国アメリカではあまりの評判の悪さに公開後二週間ほどで打ち切りとなり、興行成績は大赤字でディズニー・スタジオ創設以来の最低記録を叩き出し、重役の責任問題にまで発展したそうだ。

挙句の果てには2000年のゴールデン・ラズベリー賞の作品賞や主演男優賞などに片っ端からノミネートされまくるという、惨憺たる結果に終わっている。

しかし全く見る価値が無いかと言えばそんな事もない。湯水の如く金をかけ、ILMが持てる技術の全てを注ぎ込んで作り上げた真珠湾攻撃の戦闘シーンは腰が抜けるほどのカッコ良さ!ここだけは一見の価値があると断言できるだろう。

ただ、ヴィジュアルの素晴らしさとストーリーの薄さとのギャップがあまりにも激し過ぎて、3時間という長丁場を乗り切るのは非常に困難であると言わざるを得ない。忍耐力のある人だけどうぞ。