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『バタリアン』ネタバレ映画感想

バタリアン

「月刊GUN」という雑誌がある。これはエアー・ガン、モデルガン、実銃など“銃”に関するあらゆる情報を満載した総合専門誌だ。基本的にはガンマニア向けであり、一般の人が手に取る機会はあまり無いと思われるが、今月号に映画「バイオハザードⅡ」に関する記事が掲載されているのでちょっと紹介しておきたい。内容はもちろん「バイオハザードⅡ」で使用された銃について考察したものだ。

映画に出てくる銃は(基本的には)安全に撮影する為に専門の業者が製作・管理し、ステージガンもしくはプロップガンと呼ばれている。しかしごく稀に本物の銃をそのまま使用するというデンジャラスな現場もあるらしい(例:男たちの挽歌)。今回バイオのステージガンを担当したのは、カナダ・トロントでプロップ屋を営むチャールズ・テイラー氏だ。

彼のデビュー作はレオナルド・ディカプリオ主演の「ロミオ&ジュリエット」である。1996年製作のこの映画は有名な古典ラブストーリーでありながら、グリップにド派手な装飾を施したけったいな銃が大量に登場するという実に珍しい映画であった。

しかし映画自体は良く出来ており、ジェームズ・キャメロンは「ロミオ&ジュリエット」を見てディカプリオを「タイタニック」に起用したらしい。この映画の監督が「作動が丸見えの透明な銃を作ってくれ」などと無茶な要望を連発した為、グリップパネルを外したりパーツを金メッキ加工したりと非常に苦労したそうだ。

今回の記事では、映画「バイオハザードⅡ」の中で特殊部隊隊員が撃ちまくっていた銃について詳しく解説しており大変興味深い。中でも一番目を引くのはM134ミニガンの説明である。映画ではネメシスが片手で撃ちまくる姿が印象的だったが、デザインはこの映画オリジナルのものだ。

本体はジェネラル・エレクトリック社のM134がベースになっているものの、「プレデター」「ターミネーター2」「アルマゲドン」「ダイ・アナザー・デイ」など既に色々な映画で使われまくっている為そのままでは新鮮味がない。そこで監督が「そういえば片手でミニガンを撃つというアクションは、まだ誰もやってないじゃないか!」と無謀な提案をしたばかりに今回もまた大変な苦労を強いられるハメになったそうだ。

完成したミニガンは片手撃ちと言いながら、総重量27キロもありベースのM134より重くなっているのが解せないが、その迫力たるや凄まじいの一言!発砲シーンではブランクを使用する為リコイル・ショックはほとんど無いはずなのに、パウダーの燃焼が猛烈なバック・プレッシャーを生むため、その衝撃で体が後ずさりしてしまうそうだ。マズル・フラッシュが凄すぎる!

また映画の中で発砲が無いシーンでは、女優に負担を掛けない為に軽量なエアー・ガンを使う事が多いのだが、バイオでは東京マルイの製品が大量に使用されたらしい。台湾などのコピー品では外観のディテールが甘すぎて使い物にならないそうだ。こんな所でも日本製品の優秀さは証明されているのである。

バタリアン
■あらすじ『ケンタッキー州のとある医療倉庫で働くフランクとフレディは、ある日ミイラが保管されているタンクを叩いてしまい、謎のガスを噴出させてしまった。すると突然死体が甦り街中でゾンビが大暴れ、えらいこっちゃ!衝撃のラストまで一気に突っ走る、爆笑ホラー・コメディの決定版!』

というわけで本日は「バタリアン」の話である(ゾンビつながりで)。本作はホラー・コメディの先駆者的作品であり、後の映画に多くの影響を与えた傑作ゾンビ映画だ。しかし僕は単なるパロディ映画と思っていたんだけど、ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の正当な続編らしい。確かに劇中で「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドは実際に起こった事件なんだぜ!」というセリフが出てくるが、てっきりギャグだと思っていたのだ(まあギャグには違いないんだが)。

プロデューサーは続編の映画化権を買い取り、当初はトビー・フーパー(今やカルト・ホラーの定番とも言える「悪魔のいけにえ」の監督)に監督を任せる予定だったのだが、フーパーの書いた脚本が面白くなかった為にダン・オバノンに話を持ちかけたそうだ。ダン・オバノンジョン・カーペンターと組んだカルトSF「ダーク・スター」でその類稀なるSFセンスを発揮した脚本家兼映画監督で、「エイリアン」では原案・脚色・映像コンサルタントを務め、そのマルチな才能を披露した。

ちなみに「エイリアン」に関しては「僕が書いた脚本を勝手に変更された。交通事故に会った気分だったよ」といまだに不満をぶちまけているらしい。そんなオバノンは「ブルー・サンダー」の監督をジョン・バダムに譲って、大喜びで「バタリアン」の監督を引き受けたとのこと。オバノンの提案で従来のゾンビ映画とは一線を画する斬新なシチュエーションが続々と導入された。走るゾンビは「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりもこちらの方が先なのだ。

ちなみに“周りをゾンビに囲まれながらパンクな姉ちゃんが全裸で踊り狂う”という、怖いんだか嬉しいんだか良く分からないシーンがあるのだが、ボカシも無いのに肝心な部分がなぜか見えないのだ。いったいどうなっているんだろうと昔から気になっていたのだが、なんとプラスチックのカバーを肝心な部分にかぶせてあるのだそうだ(一種の前バリか?)。さすがダン・オバノン、こだわり方が違うぜ!(何の?)