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映画『エイリアンVSプレデター』感想

エイリアンVSプレデター

「エイリアンとプレデターが戦ったらどっちが強いのか」という、居酒屋における与太話のような企画がとうとう現実のものとなってしまった。普通に考えれば知性や強力な武器を持ったプレデターが、野生動物のようなエイリアンに負けるはずが無いように思うが、そこでプレデターとエイリアンがどのような戦いを繰り広げるのかという点が最大の見所になるのだろう。監督はバイオハザードのポール・アンダーソンなのである程度の期待を持って見にいった。

結論から言えば「予想以上にプレデターの頭が悪かった」という事実に愕然とした。地球人よりも遥かに高度な文明を持ちながらも、やってる事はアフリカの原住民と大差無いのである。まあ、そのギャップがプレデターのキャラクターなので別に問題ではないだろう。

戦闘自体は力と力の「ど突きあい」で、大迫力の怪獣プロレスを堪能できる。そして映画の特徴は展開が異常に早いという事だ。人物紹介もそこそこにあっという間に南極に到着してピラミッドに潜入したら、後はひたすら戦闘シーンみたいなものなので最後まで大変楽しめるのだ。

しかしサービス精神旺盛なのは結構だが、必要な情報まで省いているのはいかがなものか。特にプレデターやエイリアンの生態などに関しては「これぐらい、皆知ってるでしょ?」と言わんばかりにバッサリと説明シーンを省略している。企画自体がファン向けなので問題ないのかもしれないが、その割には作りが大雑把なのが気に掛かる。これでマニアは納得するのか?

後半は完全に怪獣映画と化しているので、むしろファン以外の人が喜びそうな展開なんだが。しかもポール・アンダーソン曰く「今回はプレデター3のつもりで作った」と言っているように、最終的にプレデターをヒーローのように描いているのだ。エイリアン・ファンの立場はどうなる?

しかしとりあえず「エイリアンとプレデターの対決」という一番見たいヴィジュアルは確実に見る事が出来るので文句は無い。まさに「湯水の如く金を掛けた、非常に贅沢なB級映画」であると言えるだろう。