マトリックスが大ヒットしてからというもの、アクションやファッションをパクった(非常に良く似た)映画が続出し、まさに「猫も杓子もマトリックス」状態になってしまった時期があった。一体どれぐらいあったのか、ちょっと書き出してみる。
★チャーリーズ・エンジェル
キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューが自らワイヤーアクションに挑戦して大ヒット。カンフーはマトリックスそのまんま。続編も作られたがアクションのテンションは下がってしまった。ちっともフルスロットルじゃない。
★ブレイド
サングラスに黒のロングコートにカンフーにVFXに銃撃戦と、最も「マトリックス指数」が高い映画。おまけに飛んでくる銃弾をスローで避けるシーンまであるのだ!こんなにそっくりでいいのか!?ちなみに来年日本公開されるパート3のサブタイトルは「トリニティ」である。わざとですか?(笑)
★アンダーワールド
二挺拳銃にスローモーションに黒のロングコートにヴァンパイア・・・ってブレイド!?
★アート・オブ・ウォー
ブレイドのウェズリー・スナイプス主演のサスペンス・アクション。シリアスな映画にもかかわらず、後半の戦闘シーンでいきなりトンデモ爆笑ムービーへと変貌を遂げる。なんと飛んでくる銃弾をことごとくかわしてしまうのだ!ヴァンパイアでもバーチャル空間でもないのに何故できる!?
★キル・ビル
マトリックスというより、元々タランティーノがウォシャウスキーと同様にカンフー・オタクだったのでシーンが似ているだけ。ユエン・ウーピン繋がりでもある。
★MI:-2
これも元々マトリックスの方がジョン・ウーの様式美をパクっているので、似ていて当然だ。ウォシャウスキーがユエン・ウーピンに仕事を依頼した目的は、トム・クルーズがジョン・ウーを監督に選んだ理由と同じである。「ひたすらかっこいいトムを見せる為」だけに作られた映画。トムファン必須アイテム。
★ロミオ・マスト・ダイ
ジェット・リー主演なのでアクションの凄さは保障つき。相手を殴ったときの衝撃の様子がCGで描かれ、目に見えるという表現が面白い。
★デアデビル
ベン・アフレックが公園で女を口説く時に何故かワイヤーアクションでバトルするのだ。しかしびっくりするぐらい退屈な映画なので見ない方が良い。
★X-MEN
大勢のキャラクターが様々なアクションを展開する。ストーリーも面白い。
★トゥームレイダー
アンジェリーナ・ジョリーがアクロバットなワイヤーアクションを披露する。見所は揺れる爆乳。
★少林サッカー
少林寺拳法とサッカーを合体させ、さらにマトリックスばりのアクションを展開させるという常人には考えられないムチャな発想で作られた映画。しかも大ヒット。
★火山高
学園コメディとマトリックスの合体というありえない組み合わせで、見る者を爆笑の渦に叩き込んだ快作。韓国製ワイヤーアクションの凄まじさもハンパではなく、ラストの戦闘シーンの激しさは我が目を疑う。
★リターナー
珍しい日本製のワイヤーアクションで、CGもバンバン使っている。ただしマトリックスだけでなく、MI:-2やターミネーターやETなど色んな映画をパクりまくっている。ある意味とってもお得な映画。
★ヴァーサス
問題児・北村龍平監督作品。主人公の衣装からしてモロにマトリックス。他にもジョン・ウーやハイランダーなどを徹底的にパクり倒し、オリジナリティは微塵もない。しかも最新作「ゴジラFINAL WARS」でも相変わらずマトリックスをパクっているという進歩の無さで、もはや芸風と言っても過言ではない。しかしこれこそが龍平のスタイルなのだ。天晴れ!
★リベリオン
山ほど作られたマトリックスもどきの映画の中において、突出した面白さを誇る傑作中の傑作。特にガン・アクションの素晴らしさは筆舌に尽くし難く、スタイリッシュの頂点を極めている。「武術」と「銃撃戦」をドッキングさせたガン=カタと呼ばれるオリジナル格闘技は空前絶後のかっこ良さ!ある意味「元ネタ」を超えたと言えるほどの凄まじいヴィジュアルを炸裂させる、まさに最強にして究極の一本!
この他にも、ワイヤーアクションの本場・中国香港へと逆輸入された映画も存在する。
グリーン・デスティニー、レジェンド・オブ・ヒーロー、ストームライダーズ、決戦・紫禁城などなど。
こうしてみると、いかに多くの映画がマトリックスの影響を受けていたかが良く分かる。まさに「映画の歴史を変えた」と言っても過言ではない、エポックメイキングな作品だったのだ。
スゲー!