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『跋扈妖怪伝・牙吉』映画感想

跋扈妖怪伝・牙吉

出演:原田龍二安藤希、音楽:川井憲次、監督:原口智生

■あらすじ『時は安政二年、世には妖怪がはびこり人心も荒廃した時代。江戸幕府は妖怪討伐隊を結成し、ついに人間対妖怪の壮絶な戦いが始まった!』



時代劇をベースにした、いわゆる「妖怪退治モノ」映画である。しかし時代劇を真面目にやりすぎていて面白みに欠ける。会話シーンなどの日常描写が長すぎるのだ。その反面、妖怪の造形がチープで全然リアル感がない。監督の原口智生はプロの造形師であり、特殊メイク業界の第一人者である。しかも過去にも「妖怪モノ」には関わっているはずなのにこの安っぽさはどうした事なのか、理解に苦しむ。

一方見所はというと「チャンバラ」と「妖怪アクション」なのだが、これまたどちらも中途半端な代物なのだ。確かに「正統派チャンバラ」はかっこ良くなかなか見ごたえがある。しかし逆に言えば、普通に時代劇を見ればすむ話であり、この映画ならではの「特徴」が何も無いのだ。

またクライマックスの妖怪アクションもかなり頑張ってはいるものの、妖怪の造形がヌイグルミ感丸出しなのでちっともかっこよく見えないのである。結果として全体的に非常に地味な映画になってしまっているのが残念。敵の悪役が皮のコートを着ていたり、手榴弾を持っていたりと時代考証が相当デタラメなので、どうせなら思い切りデタラメに徹して妖怪が暴れまわる映画にしてしまった方が良かったのではないだろうか。