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エリック・バナ主演『ハルク』感想

ハルク

出演:エリック・バナニック・ノルティジェニファー・コネリー、監督:アン・リー

アン・リー監督の『ハルク』は、まずカットのつなぎ方がいちいち凝っていて面白い。なんと場面が変わる時のパターンが全部違うのである。よくこれだけ色々なバリエーションを考え付いたものだ(笑)。特にスナップ写真がいきなり動き出すシーンには笑った。
でも普通につないだ方が明らかに見やすいと思うぞ。どう考えても、力を入れるべきポイントを間違えているとしか思えん。また、ストーリーも人間ドラマが長すぎてテンポが悪すぎる。特に前半部分はダレまくりだ。
しかしその反面、最大の見所であるハルクのVFXは非常に力が入っており、見応え十分。なんせリック・ベイカーデニス・ミューレンILMKNBと業界を代表する超一流のスタッフが集結しているのだから当然だろう。
ただ残念な事にドラマの描き方が中途半端だったため、全体的に「普通に面白くない」映画になってしまっている。そして最大の疑問点は「アン・リー監督が撮った意味があるのか?」という事だ(なぜパンツが破けないのか、というどうでもいい疑問については割愛する)。あまりにも作家性というものが希薄なために「他の人が監督しても同じじゃないの?」という感じしかしないのである。
だが他のアメコミ映画と比べてみて特筆すべき点が見当たらないハルクにも、たった一ヶ所だけ優れている点がある。それはヒロインが美人だという事だ。コレは結構重要な要素で、ヒーローが命を懸けて守ろうとする女の子が「守ってあげたい!」と観客に共感されなければ説得力に欠けてしまう。これだけはスパイダーマンにも是非とも見習ってもらいたい(笑)。