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エヴァンゲリオンとの共通点『ゴジラ×メカゴジラ』

ゴジラ×メカゴジラ

出演:釈由美子宅麻伸中尾彬松井秀喜、監督:手塚昌明
■あらすじ『1954年、突如出現したゴジラ使徒に対し日本政府は総力をあげて攻撃、ついに撃滅に成功した(セカンド・インパクト)。しかしそれから40数年経った現代、再び別のゴジラが現れたのだ!だが政府は直ちに対特殊生物自衛隊ネルフを結成し、G計画を発動した。その内容とは、かつて倒したゴジラの骨格を使用し、ゴジラのDNAをコンピュータに移植した汎用怪獣型決戦兵器「機龍」(初号機)を完成させる事だった!ところがゴジラとの戦闘中に突然機龍が暴走してしまう。一体なぜか?そしてついにゴジラを倒す為に最終兵器・アブソリュート・ゼロ陽電子砲)を使用する事が決定、関東一円全ての電力を供給するという大作戦が実行されたヤシマ作戦。果たしてゴジラを撃滅することが出来るのか!?逃げちゃダメだ!』……ん?



まずあまりにもスピーディな展開に驚いた。なんと映画開始わずか3分でいきなりゴジラが出現!(おそらくゴジラ映画史上最速の登場ではないだろうか?)そして自衛隊と壮絶な戦闘を繰り広げ、さんざんゴジラが暴れまくり、放射能を吐きまくった後にようやくタイトルが現れるのだ。実にかっこ良く、映画への期待を盛り上げるには十分なオープニングである。

さらに特筆すべきは、自衛隊の全面協力が得られた事で、このため戦闘シーンのリアリティが大幅にアップしている。だが、陸上自衛隊海上自衛隊が協力しているのに、何故か航空自衛隊が出ていない。これは機龍を支援する戦闘機の描写に空自が難色を示したからだと思う。

おそらく戦闘中に「攻撃を受けた戦闘機が墜落する」という場面が問題となったのだろう。陸自は戦車がゴジラに踏み潰されても「まあ、しかたがない」と納得してくれるそうだ。なぜなら、「戦車が踏み潰されて破壊される」などというとんでもない事態は現実には有り得ないからである。しかし「戦闘機の墜落」は、別に戦闘中でなくてもいくらでも有り得るのだ。これが空自にとっては大問題らしい。

平成ガメラ」の金子修介監督も撮影前に空自から脚本の検閲を受け、同様の指摘があった為、シーンの変更を余儀なくされたらしい。しかし、この件がよほど残念だったのだろう。後に金子監督がゴジラシリーズの監督に抜擢された時、ここぞとばかりに戦闘機が墜落するシーンを入れているのである。しかも「ガメラ」の鬱憤を晴らすかのように、盛大に民家へ突っ込んでいるのだ!言うまでも無く空自の協力は得られていない(笑)。

映画の内容はゴジラ映画というよりも、ロボット・アニメの実写版という感じだ。特に「新世紀エヴァンゲリオン」を意識した描写が多数見受けられる。

主人公が自閉的な少女だったり、ロボットが生体メカだったり、いきなり暴走したり、エネルギーが切れると停止したり(しかも夕日をバックに沈黙するのだから、元ネタを知ってる人には爆笑モノだ!)、やりたい放題にもほどがある。

手塚監督のコメントによれば子供の頃からロボットが大好きで、鉄人28号やジャイアント・ロボやマジンガーZを夢中になって見ていたらしい(当然エヴァも)。そのせいかどうか、ゴジラよりも機龍の方が遥かにかっこ良く描写されているのだ。

したがってこの映画はゴジラ好きよりもロボ好きの人が見た方が楽しめると思う。松井秀喜が出演しているというのは今見ると凄いが、映画の面白さとは何の関係も無い。

ちなみにいよいよ今週からゴジラ50周年記念作品にして完結編「FINAL WARS」が公開される。全く観に行く気は無かったのだが、なんせ今回の監督はあの北村龍平だ。インタビュアーの「映画の見所はどこですか?」との質問に「バカ野郎!俺の映画には見所しかねえんだよ!!」と言い放つなど、相変わらず見事なハッタリをぶちかましているようだ。

一体このワケの分からない自信はどこから出てくるのだろう?今まで何度も「これが最後のゴジラだ!」のセリフにファンは騙され続けてきたのだが、北村龍平に監督を任せたという事は、東宝が本気でシリーズを終結させようとしている証拠だと考えて間違いない。これはやはり観に行くべきか!?