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深田恭子 土屋アンナ主演『下妻物語』ネタバレ映画感想

下妻物語

■あらすじ『ロリータファッションに身も心も捧げる少女:桃子。改造原チャリをぶっとばすバリバリのヤンキー娘:イチゴ。全く接点の無いこの2人が、ナゼか出会ってしまった事からこのハチャメチャな物語は始まった。茨城県下妻市を舞台に繰り広げられるハイテンション青春ムービー!』

出演:深田恭子土屋アンナ宮迫博之篠原涼子、阿部サダオ、岡田義徳小池栄子矢沢心荒川良々生瀬勝久本田博太郎樹木希林
監督:中島哲也


なんじゃこりゃあああ!!!
めちゃめちゃ面白いじゃねえか!
ちくしょー!劇場で見ればよかった!
地平線まで果てし無く続く一本道を原チャリで爆走する主人公・桃子(深田恭子)。このオープニングからして尋常でない雰囲気が漂う。まさにマッド・マックスを髣髴とさせる(ワケない)素晴らしいロケーションだ。

この映画の見所は「暴走するキャラクター」「ブッ飛んだ世界観」である。特に個性的なキャラクターの数々には圧倒されること間違い無しで、主人公も含めて「まともな人間」がただの一人も出ていないという凄まじい内容だ。

桃子とイチゴ(土屋アンナ)はそれぞれ「ロココ」と「ヤンキー」という独自の美学を持っており、ぶつかり合う価値観のギャップが猛烈に面白い。中でも特攻服に身を包んだ土屋アンナの迫力満点のヤンキーぶりは必見である(深田恭子たくましい二の腕も違う意味で必見だ)。ある種「異文化交流コメディ」と言えるかもしれない。

また、舞台となる下妻市や桃子の生まれ育った尼崎市の描写は、デフォルメを通り越してもはや完全に「異空間」である。下妻市ジャスコに支配された「ジャスコ帝国」だとか、尼崎市の住民は死ぬまでジャージを着続けるとか、クレームが来ないか心配になるほどの、地域差別スレスレのギャグが炸裂するのだ。

こんな狂った世界で、壊れたキャラクターが好き勝手に暴走する映画など、どう考えても収拾がつかない話になりそうだが意外や意外!なんとクライマックスで女の子同士の友情を見事に描き切り、最終的には”感動的な青春友情ドラマ”として物語を着地させているのだ。

すげえええ!!!

映画のベクトルとしては松尾スズキの「恋の門」とほぼ同質である。しかし「恋の門」は扱っている題材が「オタク」であった為、人に勧めにくいという欠点があった(笑)。その点この映画は堂々とオススメ出来る映画だと言える。

また監督の中島哲也も「CM畑」出身の優れた手腕を存分に発揮しており、映像センスといいスピード感といいタダ事ではない。まさに最近の日本映画の「勢い」をダイレクトに感じさせる一本だ。傑作です!