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韓国映画『アウトライブ』感想/評価

アウトライブ

『アウトライブ』を観た(主演:シン・ヒョンジュンキム・ヒソン 監督:キム・ヨンジュン)。

一言で言えば「香港風武侠アクション映画」の韓国版といったところか。原作は韓国ではベストセラーとなっているほどの人気コミックらしい。

ストーリーは、「14世紀の中国を舞台に展開する高麗族の主人公とモンゴル族の娘との民族を超えた禁断の愛、そして”飛天神記”という剣術の秘伝書をめぐっての熾烈な争いに翻弄される2人の過酷な運命の物語」である。

まずは、アクションシーンのレベルの高さに度肝を抜かれる。韓国産のワイヤー・アクションといえば「火山高」が思い浮かぶが、全く次元が違う凄まじいアクションだ。

火山高」の時は、単にワイヤーに吊るされた人間が殴り合っているだけに過ぎなかったのだが、本作ではしっかり「剣術アクション」として成立しているのが素晴らしい。

「こんな短期間にここまでレベルアップできるものなのか!?」と韓国映画界の底力に一瞬ビビったが、チン・シウトン率いる「少林サッカー」のスタント・チームをそのまんま引き抜いて来たという事実が判明してちょっとガッカリ。

確かに「殺陣」の段取りやカット割りは香港アクションそのものだ。ただし、スピード感はあるものの編集が細かすぎて全体のアクションが良く分からない、という「問題点」もそのまま引き継いでいるのはいただけない。

それにしても「飛天神記」に書かれているという剣術とは何と恐ろしい技なのであろうか。斬られた人間が血を流して倒れるのではなく、木っ端微塵に爆裂するのである!いったいどういう原理なのか?

次に物語であるが、典型的な「悲恋モノ」である。韓国の人はこういう話が好きなのか、「演出過剰」とも言えるほどの力の入れようだ。2人の男女が出会うシーンや見つめ合うシーンなどに、必要以上に時間を掛けるので少々クドい。

ただし「愛し合っているのに結ばれない2人」の展開はありがちではあるものの、分かり易い為に共感しやすいのだ。クライマックスの大袈裟過ぎる盛り上げ方も、ハマれば結構泣けるかも。

ちなみにVFXにはジョージ・ルーカスの「ILM」が関わっているらしいが、目立った効果はほとんど見受けられない(何をやったんだ?)。全体的な完成度はなかなかなので、香港アクションが好きな人なら観て損はないかもしれない。

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