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『マイ・ビッグ・ファット・ウエディング』映画感想

マイ・ビッグ・ファット・ウエディング

『マイ・ビッグ・ファット・ウエディング』を見た。

一言で言えば「普通に面白い映画」である。そこそこ楽しめるが、飛び抜けて「面白い!」と言うほどでもない。ましてや、「ラブ・ストーリー映画史上『タイタニック』に次ぐ大ヒット!」と言われても全然ピンとこない。

ストーリーは、サエない30歳のギリシャ系女性が一念発起してステキな男性とめぐり合い、文化の壁を乗り越えて結婚に至るまでの物語。しかしこれはラブ・ストーリーというよりも「異文化交流」コメディである。

なぜなら面白さのポイントが、「ラブ」よりも彼女の「家族」とその「文化様式」の方に置かれているからだ。「ラブ・ストーリー」を強調させる為には、彼と彼女の愛を成立させる様々な困難を乗り越えて苦労の末にようやく結婚に至る、という過程を丁寧に見せる必要がある。

しかしながら、この映画では2人はやけにあっさりと恋に落ち、結婚の障害と言えるものも「彼女の父」のみで、それもたいした苦労も無くさっさとクリアーしてしまう。「ラブ・ストーリー」として見た場合、あまりにも単調だ。

しかしながら、彼女の「家族」とその「カルチャー・ギャップ」に、驚きとまどう彼と彼の両親のリアクションの面白さを「コメディ」に転化しているのだ。それは「きっと国際結婚した人ってこんな苦労をしてるんだろうなあ」という、普遍的な面白さを描写しているということでもあり、老若男女を問わず非常に感情移入しやすくなっている。

この映画で訴えている事は「ファミリーの素晴らしさ」である。それと同時に「伝統を尊重することは大切だが、時として妥協する事も必要」と訴えているのだ。終わり方も予定調和で何のひねりも無いが、ちゃんと「笑える」映画になっているのでコメディ好きな人にはおすすめ。

主演:ニア・ヴァルダロス、ジョン・コルベット 監督:ジョエル・ズウィック 製作:トム・ハンクス