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妻夫木聡主演実写映画『ドラゴンヘッド』感想

ドラゴンヘッド

妻夫木聡主演の実写映画『ドラゴンヘッド』を見た(その他、SAYAKA藤木直人根津甚八嶋田久作飯田譲治監督作品)。

評判がかなり悪かったので全く期待しないで見たのだが、予想したほど酷くはなかった。映画が始まっていきなりパニック状態になっていて、思わず物語に引き込まれるオープニングは悪くない。

トンネルから外へ脱出するまでの展開も、なかなか緊迫感があって良いと思う。問題はそこから先のストーリーだ。あてもなく外を歩き回るシーンが延々と続き、やっと人に出会ったと思ったら何だかみんな様子がおかしい。

そこを脱出するとまた別の人と出会い、またはぐれて…の繰り返しで起承転結も無ければ、ドラマの起伏も無い。主人公の目的意識がはっきりしないままストーリーが進んでいくのが一番の問題だろう。

彼は何をしたいのか、つまりはこの映画は何を訴えたいのかが良く分からない。ラストシーンで、主人公が何かを決意した時点で映画は終わる。観客が見たいのはそこから先の物語なのに。

しかし、ヴィジュアル的には結構見ごたえがあると思う(というか、そこしか誉めるところが無いんだけど)。CGを多用した背景合成の技術力の高さは、邦画ではトップクラスなのではないだろうか?崩壊した東京の合成も見事で、相当な手間を掛けて作られたものと思われる。

固定画面だけでなく、カメラの動きに連動して3DCGの背景が動く”マッチムーブ”を使用しており、実に自然なヴィジュアル作りに成功している。クライマックスの火山の噴火や、火山弾の描写もものすごい迫力だ。

ただ、わざわざウズベキスタンまでロケに行ったのに、こんなに背景を合成しまくったのでは意味が無いような気もするんだけどねえ(苦笑)。