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『キングスマン:ゴールデン・サークル』ネタバレ感想


どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

公開からだいぶ時間が経ってしまいましたが、本日は『キングスマン ゴールデン・サークル』の感想を書いてみたいと思います(以下ネタバレあり)。


■あらすじ『世界的な麻薬組織「ゴールデン・サークル」の攻撃により壊滅したキングスマン。残されたエグジーとマーリンは、アメリカのスパイ機関「ステイツマン」と合流、そこで死んだはずのハリーと再会する。一方、麻薬組織の女ボス:ポピーは、世界中の麻薬使用者を人質にした恐るべき陰謀を始動させていた。果たしてエグジーたちは敵の計画を阻止することは出来るのか?』


前作の『キングスマン』は、「古典的なスパイもの」と「現代的なギミック」の融合、「派手に血しぶきが飛び散るバイオレンス・アクション」、さらに「不謹慎なブラックユーモア」などを組み合わせた独特の世界観がウケて大ヒットしました。

続編となる本作も当然その流れを受け継いでいるんですが、どうも前作のファンにはいまいち評判が良くない模様。いったいなぜか?

「R15で残虐描写全開だった1作目に比べ、レーティングに配慮した本作には迫力が足りない」という理由もあるでしょうけど、それだけではありません。

まずキャラクターを見てみると、今回は「ステイツマン」という新メンバーが合流するんですが、人数が多い割にはどうにもこうにも魅力が薄く、イマイチ印象に残らないのですよ。

特にチャニング・テイタム演じるテキーラは、開始早々に戦線を離脱して「後はほとんど寝てるだけ」という酷い有様(噂によると、本来はもっと活躍する予定だったのに、別作品の仕事が忙しすぎて出番を減らされたらしい)。

他にもハル・ベリーやジェフ・ブリッジズなど有名な俳優が多数出演しているにもかかわらず、目立つようなシーンが少ない点も残念でした。

そして今回の敵として悪事を働くポピー(ジュリアン・ムーア)も、前作のサミュエル・L・ジャクソンに比べると今一つインパクトに欠けるというか、死に方とかあっさりしすぎですよねえ(苦笑)。

また、前作でボスの部下として登場していた両足がブレードの女:ガゼル(ソフィア・ブテラ)が非常に魅力的だったのに対し、今回は片腕が義手のチャーリーになってて、これまた魅力が足りません。

逆に良かったキャラは、前作から引き続き登場しているマーリン(マーク・ストロング)と、新キャラのウィスキー(ペドロ・パスカル)、そしてエルトン・ジョン役のエルトン・ジョン(笑)。

特にエルトン・ジョンは「何でこんなに出番が多いの?」と困惑するぐらい活躍シーンが満載です。つーかエルトン・ジョン目立ちすぎです(完全にゲスト出演のレベルを超えてるよw)。

あと、主人公のエグジータロン・エガートン)とハリー(コリン・ファース)に関しては、キャラに不満はないんですけど、劇中の描かれ方がちょっと…特にハリーの扱いが微妙でしたね。

前作のストーリーをざっくり言うと、「不良少年だったエグジーがある日ハリーにスカウトされ、スパイ養成学校での厳しい訓練を経験し、最終的に一人前のスパイとして活躍する」という姿を描いた”成長物語”でした。

それに対して本作は、「前作で死んだと思われていたハリーが再登場し、エグジーと共に様々な苦難を乗り越え再び一流スパイとして活躍する」という姿を描いた”復活物語”になっています。

しかしながら、ハリーの復活を上手く描けていない(記憶喪失から回復する過程や、ハリーの身体能力が元に戻る描写が不足している)ため、どうにも終盤の展開にノレないんですよねえ。

まず「銃で頭を撃ち抜かれたハリーが生きていた」という状況自体が登場人物にとってサプライズなわけですから、そこをしっかり描かないとダメでしょう。単に「ステイツマンの驚異的な科学力によって助かりました」って、いくらなんでも設定が雑すぎる(『ブラック・エンジェルズ』の松田鏡二を思い出したわw)。

そもそもハリーの復活を効果的に描くなら、記憶が戻るタイミングをもう少し遅らせた方が良かったんじゃないかなあと思うんですよ。例えば、敵の本拠地に潜入したエグジーが捕まってしまい、絶体絶命の大ピンチに陥る、と。

ヤバい!このままではやられてしまうぞ!と。そんなハラハラドキドキの状況で(何かをきっかけに)ハリーの記憶がよみがえり、間一髪でエグジーを救出!


「ハリー、記憶が戻ったんだね…!?」

「ああ、待たせたな、エグジー!」


短い会話の後で繰り広げられるハリーとエグジーの大銃撃戦!周りを取り囲む大勢の敵を、たった二人で次々と倒していく壮絶なガンアクションシーンが炸裂!

……とまあ、こういう流れだったら「ハリーの復活」をもっと劇的かつエモーショナルに描けたんじゃないかなーと思うんですよね(非常にベタですけどw)。

他にも細かいツッコミどころは色々あるんですが(ハリーはウィスキーの裏切りをなぜ気付いた?とか、ポピーのメカ犬は二匹もいらんやろとか)、結局のところハリーの扱いが上手くいっているかどうかに尽きると思います。

とは言うものの(世間の酷評に比べれば)個人的には結構楽しめましたけどね。一番グッときたのは、マーリンが「カントリーロード」を熱唱するシーン。敵を引きつけるために朗々と歌い上げ、全部歌い切った後に爆死するという、実に印象的な名場面でした。

実はあのシーン、最初に編集したバージョンではマーリンが死んでないんですよ。地雷で吹き飛ばされた後、両足を失い瀕死の重傷を負ったマーリンをステイツマンが救出&治療し、ラストの結婚式にも義足を付けて出席してるんです。

ところが、テスト試写を行ったら評判が悪かったらしい。要は、ハリーとエグジーを助けるために自己犠牲で死んだと思って観客は泣いていたのに、その後「実は生きてました〜」って言われたら「感動が台無しだ!」と苦情が出たとか(笑)。

それで急遽、エグジーの結婚式のシーンに映っていたマーリンをCGで消して「死んだこと」にしたようですが、監督は不本意だったみたいですね。でも僕はあの「カントリーロード」の場面を観て結構グッと来たので、良かったと思います(どうせパート3で生き返るだろうしw)。

あとは、ハリーとエグジーの連携アクションを観れたのも良かったなあ。前回は別々の場所で戦っていたから、二人の共闘シーンがなかったんですよね。だから今回「これぞ『キングスマン』だ!」という見事なコンビバトルが堪能できて非常に満足です。

まあ総合評価的に見れば1作目よりも劣るけど、「続編」なら(『キック・アス』の続編も微妙だったしw)こんなもんかな〜って感じで、個人的には割と楽しめましたよ(^_^)


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