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リーアム・ニーソン『96時間/レクイエム』ネタバレ映画感想/解説

■あらすじ『トルコで凶悪犯罪組織を壊滅させ、住み慣れたロサンジェルスへと戻ってきた元CIA秘密工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)。そんな時、元妻レノーアがブライアンの自宅で何者かに殺されてしまう。しかも、その容疑者として指名手配されてしまったブライアンは警察から逃げ回るハメに。しかし、窮地に陥りながらも最愛の娘キムの身を案じつつ、自分を罠にはめた黒幕の正体を暴き、レノーアの仇をとるために行動を開始するブライアン。やがて辿り着いた驚愕の真相とは…!?大ヒット・シリーズの第3弾にして最終章となるサスペンス・アクション!』



本日、金曜ロードSHOW!リーアム・ニーソン主演のアクション映画『96時間/リベンジ』が放送されます。この映画については以前にレビューを書いているので(→『96時間/リベンジ』の感想はコチラ)、今回はシリーズ3作目となる『96時間/レクイエム』について書いてみたいと思います。

さて、『96時間/レクイエム』はシリーズの完結編となっているため、「悪い奴に誘拐された身内を救出する」という今までのパターンとは展開が少々異なってるんですよね。まず、離婚した元奥さん(レノーラ)がブライアンの自宅で殺され、その死体を彼が発見。

ブライアンが驚いていると、警察官が現れ逮捕しようとしたため、逆に警官を倒してその場から逃げ出しました。しかし、現場の状況から犯人扱いされ、ブライアンは「レノーラを殺害した容疑者」として全米で指名手配されてしまう。こうしてブライアンは警察に追われながら真犯人を探し出すことに…

映画ファンならピンと来たと思いますが、これって1960年代のテレビドラマで映画化もされた『逃亡者』のストーリーと同じなんですよね。つまり、『逃亡者』にアクション要素を加えたものを、『96時間』の設定でやってみようとしたのがこの映画なのではないかと。

ただ、それならもっとサスペンス部分にこだわらないとダメでしょう。例えば「どうやってブライアンを罠にハメたのか?」の謎解き部分に関しても、レノーラの再婚相手がブライアンのスマホをこっそり使ってニセのメールを送っていたとか、あまりにも適当すぎるのでは?と思ってしまうわけで。

『96時間』シリーズを観ている人なら、元CIAのブライアンからスマホを盗む(実際は部屋に置きっ放しになっていた)ことがいかに無謀な計画か分かるだろうし、そもそもスマホにロックぐらいは掛けてあるはずだし。にもかかわらず、あっさりメールが送れてしまった。その時点で、「なんていい加減な脚本だ」と思われても仕方がありません。

中でも一番ガックリしたのが、警察によって保護されている娘と連絡を取るために、ブライアンが実行したある作戦。それは「毎日、決まったコンビニへ行って手前から4つ目のヨーグルトを買う」という娘の行動を利用し、あらかじめヨーグルトに気分が悪くなる薬を仕込み、棚に置いておくという凄い作戦です。で、娘が体調不調でトイレへ行ったらミルズが隠れてるっていう段取りになってました。

う〜ん、何というか…。要は、なぜこんな回りくどい方法を取るのか?ってことなんですよ。容器に「すぐ飲め」とメモを貼り付けるぐらいなら、そのメモに「学校のトイレで待ってろ」と書いておけば済む話じゃん。そもそも、他の誰かが先にヨーグルトを買って順番がズレたらどうするの?違う人がトイレへ駆け込むことになっちゃうよ!

とまあ、こんな感じで色々ヘンな場面が多い映画なんですけど、肝心のアクションも色々おかしいんです。例えば、よくあるアクション映画のパターンとして、主人公が爆弾か何かで死んでしまったように見せかけて、実は生きていた!と観客をハラハラドキドキさせる展開。

あれって、「こんな風にして主人公は助かったのだ」と理由を説明するシーンがあるからこそ、観ている人も「なるほど、そうだったのか!」と納得できるわけですよね?でも『96時間/レクイエム』は全然納得できないのですよ。

映画中盤で、ブライアンが立体駐車場のエレベーターに自動車ごと突っ込んで一気に下まで落下する場面では、ビルの外から見えるほどの凄まじい大爆発が起きていました。ところが、そんな大惨事にもかかわらず、ブライアンは無傷で脱出しているのです。いったいどうやって助かった?

さらに終盤では、敵に自動車ごと崖から落とされ、またしても車が大爆発(どうでもいいけど、爆弾を積んでいるわけでもないのにどうしていつも大爆発するんだろう?)。しかしその直後、何事も無かったかのようにブライアンが歩いて登場するんです。なんで?

このシーン、一応”回想的な形”で助かった理由を説明してるんですけど、「崖を転がり落ちている途中で普通に車のドアを開けて脱出していた」という理由なんです。え?そんなのでOKなら、もう何でもアリになっちゃうじゃん!アクション映画の緊張感が成立しなくなるよ!

これはねえ、やっちゃいけないことだと思うんですよね。「観客をハラハラドキドキさせるシチュエーションだけ考えて、どうやって絶体絶命の危機をクリアーさせるかは考えてない」ってことでしょ?「とりあえず助かりました」って結果だけ見せられても納得できるわけありません(「ブライアンは不死身だった」という設定なら別だけど)。

とまあ、そんなわけでサスペンス映画としてもアクション映画としても相当にグダグダな『96時間/レクイエム』ですが、リーアム・ニーソン演じるブライアンの人間離れした強さだけは堪能できると思いますので、「リーアム無双が観られればそれで満足!」という人にはオススメです(^.^)


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