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これはひどい!苦情が殺到した日本語吹替え版映画ワースト10

どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

さて最近、「映画は字幕?それとも吹き替えで観るべき?」みたいな議論があちこちで繰り広げられているようですが、個人的には「どちらもアリかな〜」と思っています。

以前は字幕で観ることが多かったんですけど、今は吹き替えで観るパターンも増えてるし、特に3D映画の場合は画面に集中できるので、吹き替えの方が観やすい場合もあるんですよね。

ただ、日本語吹替え版を選択する際に注意したいのが、「声優は誰なのか?」という点でしょう。近年はタレントや有名芸能人が吹き替えを担当するパターンが増え、その”質”が問題になっているからです。

もし、声優未経験の人気アイドルが主人公を演じている映画を知らずに観たりしたら、とんでもない目に遭うかもしれません。実際、「日本語版の出来が悪くて映画に集中できなかった」という人もいるようで、出来ればそういう吹き替えは避けたいものですよねえ。

というわけで本日は、「あまりの酷さに苦情が殺到した日本語吹替え版映画」を10本取り上げてみましたよ(^.^)


●『アベンジャーズ
元々『アイアンマン2』、『マイティソー』、『ハルク』、『キャプテンアメリカ』などでは、ブラック・ウィドウを声優の佐古真弓、ニック・フューリーを手塚秀彰ホークアイ阪口周平がそれぞれ演じていた。

しかし、それらのヒーローが勢揃いする『アベンジャーズ』では、ブラック・ウィドウに米倉涼子、ニック・フューリーに竹中直人、そしてホークアイ雨上がり決死隊宮迫博之が起用されたのである。

この突然の変更にファンは大激怒。中でも『アイアンマン』から『キャプテンアメリカ』までの4作品でニック・フューリーを演じた手塚秀彰の降板に対しては、「よりによって集大成となる『アベンジャーズ』で外すとは何事だ!」と不満を爆発させ、元の声優に戻す呼びかけを行ったところ、1000人を超える賛同者が集まったという。

だがファンの要望は聞き入れられることなく、結局、芸能人による吹き替え版で公開されてしまった。

さらに本作のソフトが発売される際にも、劇場公開版とオリジナル声優版の2種類を収録するようにディズニー・スタジオ・ジャパンへ申し入れたが無視されたため、「絶対にブルーレイは買わない!」と不買運動まで起こったらしい。


このようにAmazonのカスタマーレビューも荒れまくり、大量の批判コメントが書き込まれることになってしまった(作品に対する不満ではなく、「吹き替えをどうにかしろ」という内容が大半だったらしい)。

なお、『アベンジャーズ』の芸能人吹き替え問題は続編の『エイジ・オブ・ウルトロン』や『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』でも全く改善されることなく、現在も継続中である。


●『TIME/タイム』
本作では、ヒロインのシルヴィアの声を当時AKB48で人気を博していた篠田麻里子が吹き替えている。しかし、あまりにも棒読みすぎる演技に批判が殺到。

さらに『コージ苑』や『かってにシロクマ』などで知られるマンガ家の相原コージが、「キャスティングした奴は切腹すべき」とTwitterでつぶやいたら「お前が切腹しろ!」「麻里子様に謝れ!」と逆にAKBファンから総攻撃を食らう二次被害まで発生したらしい。



しかもDVD/ブルーレイがリリースされた当時、TSUTAYAのレンタルランキングでは4週連続首位を記録するほどの人気作だったのに、マリコ様の日本語吹き替えが最悪」とわざわざ店頭のポップに書かれるなど、想像を絶するヘタクソぶりが話題となった。


TIME/タイム (吹替版)

問題のマリコ様の吹替え版がこちらです


●『プロメテウス』
映画『プロメテウス』の日本語吹き替え版が公開された時、映画史に残る惨劇が起きてしまった。

ノオミ・ラパス演じる主人公:エリザベス・ショウの声を担当したのは剛力彩芽。その第一声を聞いた瞬間、全国の映画ファンが「やめてくれ!」と悲鳴を上げた…かどうかは分からないが、とにかく本作における剛力彩芽の酷評は熾烈を極めたのである。

なんせ、声優初挑戦でハリウッド大作映画の主役を演じるという無謀さに加え、エリザベス・ショウのキャラクターにも声質が全く合っていない上に年齢も若すぎる(ノオミ・ラパスとの年齢差13歳)など、「人選ミスでしょ?」としか思えない配役に非難轟々。

中には「剛力さんはダンスが上手い」と擁護する者もいたようだが、残念ながらその才能は『プロメテウス』に1ミリも活かされていなかった。

実はこの時期、有名な映画やドラマなどで剛力彩芽がキャスティングされまくるという謎の”剛力バブル現象”が起きていたのである。そのため、世間からは「ゴリ押し女優」とか「剛力出すぎ」など、猛烈なバッシングを受けていたらしい。

この剛力バブルはその後も続き、『X-MEN:フューチャー&パスト』でもオスカー女優のジェニファー・ローレンス演じるミスティークの吹き替えを務めたことで、再び批判に晒されてしまった。

X-Men: フューチャー&パスト (吹替版)

前作ではプロの声優が演じていたのに、なぜか剛力彩芽になっててファン激怒!

このような出来事によってすっかり映画ファンに嫌われてしまった剛力さんだが、『フューチャー&パスト』のソフトは最近になって劇場公開時の映像を再編集した「ローグ・エディション」が発売され、剛力彩芽ではないプロの声優(牛田裕子)が新たに声を収録し直している。

X-MEN:フューチャー&パスト ローグ・エディション(2枚組) [Blu-ray]

まさかの「剛力じゃない吹き替え版」が実現してファン大喜び!

しかもこの「ノー剛力バージョン」のブルーレイが好評で、「今まで見送っていましたが、これでやっと購入できます!ありがとう!」などと大絶賛されているそうだ。剛力さんには何の恨みもないけれど、できれば『プロメテウス』もノー剛力でお願いしたい。

プロメテウス (吹替版)

話題となった剛力彩芽さんの吹き替え版がこちらです(どうか「ノー剛力バージョン」を…)


●『ザ・シンプソンズ MOVIE』
1989年からアメリカのFOXテレビで放送されている人気アニメで、日本でもファンが多い『ザ・シンプソンズ』。

その劇場版が2007年に公開された際、なぜかプロの声優が担当していたテレビ版の主要キャストを全て変更し、所ジョージ和田アキ子ロンドンブーツ1号2号の田村淳やベッキーなど、お笑い芸人やタレントが多数起用された。

この変更について20世紀フォックスの日本支社は、「『日本人が理想とする明るく楽しい家庭』をテーマにそれぞれの配役を決めました」と理由を説明するものの、従来のファンからは「ウソつけ!」「そんなの知らねーよ!」などと批判が殺到。新聞や雑誌でも報じられるほどの大騒動が勃発した。

その抗議活動は日増しにエスカレートし、オリジナル声優の復活を求める署名サイトやブログが次々と開設され、3000人を超える署名が集まり、ついにはホフディラン小宮山雄飛20世紀フォックスの日本支社を訪れて直談判するという、前代未聞の異常事態にまで発展したのである。

結局、劇場公開時には芸能人吹き替え版で上映されたが、ソフト化される際にオリジナル声優による吹き替え版が新たに製作され、DVDとブルーレイには劇場公開版とオリジナル声優版の2種類の日本語吹き替え音声が収録されることになった。

ザ・シンプソンズ MOVIE (劇場版) [Blu-ray]

「本家の声優陣が復活して嬉しい!」とブルーレイ版は高評価


●『WANTED』
主人公ウェスリー・ギブソンジェームズ・マカヴォイ)の声を吹き替えたのは「ウィッシュ!」でお馴染みのDAIGOである。

改めて言うまでもないが大変な不評で、演技が上手いとか下手とかの問題以前に、「どこからどう聞いてもただのDAIGO」というヒドい有様だった。

なお、本作がテレビで放映された際も、「主人公の声が下手だと思ったらDAIGOじゃねーか」「吹き替えが下手くそすぎる」「声優に向いてない」「DAIGOマジひどいな」「下手過ぎて笑うwww」などの罵詈雑言でTLが埋め尽くされ、それを見たDAIGOがショックのあまり「旅に出ます」とつぶやくほどだった。

ウォンテッド (吹替版)

DAIGOさんの吹替えが気になる人はこちらをどうぞ


●『サウスパーク/無修正映画版』
アメリカのケーブルテレビチャンネルで放送されている人気アニメで、日本では1999年からWOWOWが放映権を取得し吹き替え版を放送していた。

1999年に劇場版が作られ、2000年には日本でも公開されたが、松竹芸能所属の芸人が多数参加して大阪弁での吹き替えが行われたため、TV版のファンから猛烈に非難されたという。

なお、この作品でカートマンを演じていた映画コメンテーターのLiLiCoは、映画版でカートマン役をアメリカザリガニ柳原哲也に奪われたことに腹を立て、抗議するためにテロリストの服装でオモチャのバズーカ砲を持ったまま配給元のワーナー・ジャパンに突撃したらしい。



●『LIFE!』
ベン・スティラーが演じる主人公・ウォルターの日本語吹き替えを、なんとナインティナイン岡村隆史が担当した問題作。

当然の如く公開直後から苦情が寄せられ、「なんで関西弁なの?」「声が全く合ってない」「酷いにも程がある!」「ホットペッパーのCMかと思ったわw」などなど、ネットで炎上しまくったそうだ。

LIFE!/ライフ オリジナル版 (吹替版)

岡村さんは悪くないのに吹替え版への批判がすごい…


●『トップガン
1986年に公開された『トップガン』は、1989年に『ゴールデン洋画劇場』で地上波初放送された際に日本語吹き替え版が作られたのだが、この時トム・クルーズの声を演じたのは渡辺裕之だった。

そして2005年に『金曜ロードショー』で放送された際には声優の高橋広樹が演じ、2009年放送の『木曜洋画劇場』では森川智之が演じている。

森川智之といえば、今では「トム・クルーズの専属」と呼ばれるぐらい様々な作品でトム・クルーズの吹き替えを担当しており、『ミッション:インポッシブル』シリーズや『ラストサムライ』などその活躍ぶりは枚挙にいとまがない。

きっかけは『アイズ ワイド シャット』のオーディションで、スタンリー・キューブリック没後の2001年に日本語吹き替え版が作られることになり、森川氏が現場へ行ったらキューブリックの息子が来ていて「オリジナルの英語版と全く同じ演出効果を吹替え版でも再現したい」と要求されたという。

そのため、セリフの一言一言に至るまで細かくチェックされ、ベッドで寝るシーンではなんと収録スタジオにベッドを持ち込み、実際にベッドに寝転びながらアフレコが行われたそうだ。

こうして作られた日本語吹き替え版『アイズ ワイド シャット』は、助監督のレオン・ヴィターリが「これまで様々な国で吹替えを作ったが日本語版が一番だ」と手紙に書いて送ってくるぐらい出来が良く、さらにこの吹き替え版を聞いたトム・クルーズ本人も「彼の吹き替えが世界で一番美しい!」と絶賛したらしい。

なので当然、『トップガン』のDVDやブルーレイの吹き替えも森川智之がやるのだろうと思ったら……なんと俳優の塚本高史深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』で映画デビューし、『木更津キャッツアイ』や『タイガー&ドラゴン』など数多くの人気ドラマに出演したあの塚本高史である(と言ってもあまりピンと来ないかもしれないが)。

どういうわけか、現在『トップガン』のDVDに収録されている日本語吹き替えは塚本高史トム・クルーズ(マーヴェリック役)の声を演じており、しかも動画配信サービスでも彼の吹き替えで配信されているのだ。

もちろん、トム・クルーズの印象をきちんと再現してくれていれば文句はないのだが、どうにもこうにも違和感が…というより明らかに棒読み演技で不自然さが目立ち、視聴したユーザーからも「これはひどい」「全然トムの声に合ってない」「森川さんに変えて!」など苦情が殺到した模様。

一体どうしてこうなってしまったのかは知る由もないが、ぜひ森川智之で収録した『木曜洋画劇場』バージョンをBD化(もしくは配信)して欲しい。

トップガン(吹替版)

これは確かに違和感が…(プライム会員は追加料金なしで視聴可)

※なお、4K版のソフトにはフジテレビ放送版(渡辺裕之)とテレビ東京放送版(森川智之)の2バージョンの日本語吹替えが収録されているので(再生には対応機器が必要だが)、購入の際はこちらをオススメしたい。


●『ハンコック』
主人公のハンコック(ウィル・スミス)はプロの声優が演じているのだが、ハンコックの友人として登場するレイの声をEXILE眞木大輔が演じて大ブーイングに。

脇役とは言え、「主人公を助ける」という重要なキャラだから出番もセリフも多く、余計にヘタな演技が目立ってしまったのだろう(かなり気になる)。


●『タイタニック
ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』が初めて地上波(フジテレビ)で放送されることが決まった際、当初はジャック役に木村拓哉、ローズ役に藤原紀香がキャスティングされていた。しかし諸般の事情で2人が降板したため、妻夫木聡(ジャック)と竹内結子(ローズ)が起用されることに。

結果、30%を超える高視聴率を叩き出したものの、吹替え版に対する反応は非常に悪く、放送終了後に批判が殺到。そのため3年後に再びフジテレビで『タイタニック』を放送した時は、内田夕夜(ジャック)と岡寛恵(ローズ)で吹き替えをやり直している。


●『TAXi 4』
リュック・ベッソンが製作した人気カー・アクション・シリーズの4作目。しかし、前作『TAXi3』まではプロの声優が担当していた主役2人を、本作では当時売れっ子だったオリエンタルラジオが担当。

さらにヒロインを眞鍋かをり、重要なサブキャラを高田純次が演じたことでシリーズのファンから凄まじい批判を浴びてしまう(なおDVDには劇場公開版とオリジナル声優版の2種類が収録された)。


●『呪怨パンデミック
ホラー映画の吹き替えなのに、ハリセンボンの箕輪はるか近藤春菜森三中大島美幸村上知子と黒沢かずこ、そしてまちゃまちゃという、全く意味不明のキャスティングに全国のホラー映画ファンが怒り心頭。怖がらせたいのか笑わせたいのかどっちなんだ?



●『ジュラシック・ワールド
本作の場合はちょっと特殊なパターンで、玉木宏が主人公のオーウェンクリス・プラット)、木村佳乃がヒロインのクレア(ブライス・ダラス・ハワード)の声をそれぞれ吹き替え、例によって批判が殺到。

ここまでは良くある話だが、2017年に金曜ロードショーでTV初放送が決まった際、なんと日本テレビは「違う俳優でアフレコし直そう」と決定したのである。こうして、新たに山本耕史仲間由紀恵を起用し、「金ロー版吹き替え」を独自に制作。

ところが、これを知った玉木と木村の両事務所は「そんなにウチの俳優が気に入らないのか!」と激怒し、日テレ側との間に険悪なムードが漂う事態になってしまった(ちなみに金ローで放送した山本耕史仲間由紀恵の吹き替え版も評価はイマイチで、アフレコをやり直した成果ゼロ)。

しかも、その後に『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の公開が控えていたため、「う~ん困った!次の吹き替えを誰に依頼すればいいんだ?」と配給会社や宣伝担当者は大慌て(なぜ「プロの声優に依頼する」という発想が出て来ないのか…)。

こうしたゴタゴタの末、結局『炎の王国』では元通り玉木宏木村佳乃が吹き替えを担当することになったんだけど、せっかく時間とお金をかけて作った「山本&仲間の吹き替え版」はブルーレイに収録されることもなく、このまま封印されてしまうわけで「何やってんだよ…」としか言いようがない、トホホ。


●『スーパーナチュラル』
映画ではないが、海外ドラマにも酷い吹き替えは存在する。中でも、「今世紀最悪の吹き替え」「ひどすぎて体が震える」など、ぶっちぎりの低評価を獲得している伝説的な吹き替えが『スーパーナチュラル』だ。

本作は、2005年に放送が開始されたアメリカのTVドラマで、日本でも2007年から放送されたが、2人の主人公のうち、1人をお笑コンビの次長課長井上聡が演じたことで大問題が発生する(もう一人は俳優の成宮寛貴で、こちらもひどい)。

↑ 動画を見てもらえばわかると思うが、「あれ?どこか別の場所から音声が再生されてるのかな?」と勘違いしそうなぐらいキャラと声が合ってない。恐らく本人は真面目にセリフを読んでいるのだろう。

しかしどう考えても悪ふざけとしか思えないその演技は、脳が受け入れを拒否するレベルに達しており、もはや”棒読み”という概念すら超越している。

ワーナー・ホームビデオからシーズン1と2のソフトが発売された際も、信じられないほどの苦情が寄せられ、シーズン3からは別の声優に変えられてしまった。

現在でも「『スーパーナチュラル』を超える吹き替えは存在しない」と言われるぐらいの衝撃映像であり、”放送事故”と評しても全く過言ではないだろう。まさに”ダメ吹き替えの金字塔”と呼ぶに相応しい問題作である。


※なお、今回の記事では「批判の多かった日本語吹き替え版」のみを取り上げましたが、有名芸能人の吹き替えが全て悪いわけではなく、逆に高評価を受けたタレント吹き替えも少なくありません。他の記事ではそういう「良かった吹き替え版」も取り上げているので、よろしければ合わせてご覧ください ↓

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