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2014年に観た映画の私的ベスト10&ワースト1


さあ、いよいよ大晦日になってしまいましたよ。皆さん、新年を迎える準備は整いましたか?というわけで年末恒例の「今年2014年に観た映画ベストテン」を書いてみたいと思います。例によってランキング型式ではなく、順不同で10本を選出してみました。


●『ウルフ・オブ・ウォールストリート
レオナルド・ディカプリオ演じる主人公の、破天荒すぎる生きざまがメチャクチャに面白い!これは傑作!「実話を元に作られた」ということが信じられないぐらいに、全てが波乱万丈かつドラマチックに演出されていて、179分の長尺でも全く気にならなかった。出てくるワードが「酒・女・ドラッグ・金」など、”全編に渡ってゲスの極み”みたいな凄まじいストーリーを、71歳とは思えないほどのハイテンションで飛ばしまくるマーティン・スコセッシ監督がマジでサイコー!


●『アメリカン・ハッスル
こちらも実話ベースのサスペンスだが、クリスチャン・ベイル、ブッラドリー・クーパー、ジェレミー・レナーエイミー・アダムスジェニファー・ローレンスロバート・デ・ニーロなど、有名俳優が演じる個々のキャラクターが実に魅力的で最後まで飽きさせない。

特に凄いのがクリスチャン・ベイルの常軌を逸した役作り。ハゲでデブな主人公を演じるために、ドーナツやチーズバーガーを食べまくって20キロも増量した挙句、髪の毛まで抜いてしまったのである。『ザ・ファイター』の時は歯を抜いていたから、ハゲになるぐらいどうってことないのだろうか?


●『LEGO(R) ムービー
「レゴの映画?ふーん…」みたいなテンションだったのだよ最初は。ところが、ただの子供向け映画じゃなかった。むしろ大人が観ても十分に楽しめる内容だった。全編CGアニメーションで作られているにもかかわらず、わざとストップモーションでレゴを動かしてるように見せるなど、ディテールにもこだわりまくり。カラフルかつ幻想的な世界観を観ているだけでも楽しめる。


●『キャプテン・アメリカ ウインターソルジャー』
今年は、アメコミヒーロー映画として、『マイティ・ソー2』、『キック・アス2』、『アメイジングスパイダーマン2』、『X-MEN フューチャー&パトス』などを鑑賞したが、抜きん出て面白かったのが『キャプテン・アメリカ ウインターソルジャー』である。

正直、1作目が地味すぎてあまり期待してなかったんだけど、まさか続編でここまでレベルアップするとは思わなかった。『アベンジャーズ』軍団の中では”まあまあ弱い奴”と思われているキャップだが、本作では人間を相手に戦っているので強く見える(笑)。


●『オール・ユー・ニード・イズ・キル
究極の「死にゲー映画」(笑)。どう考えても攻略不可能と思われる難易度の高いゲームを、「クリアーするまで帰れません!」とばかりに延々とやらされてる感じだ(ハリウッド版「ゲームセンターCX」w)。トム・クルーズのヘタレな演技にも要注目(^_^)


●『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』
チャンバラ・アクション映画の最高峰にして、「漫画やアニメの実写映画化における数少ない成功例」と言えるだろう。不満点も無くはないが、今後もこのレベルで漫画原作が実写化されるのなら、”実写版映画”というものに期待してもいいかもしれない(『進撃の巨人』はどうなるかなあ)。


●『ダラス・バイヤーズ・クラブ』
マシュー・マコノヒーってこんなにいい役者だったのか!と再認識させられた作品。過酷な減量も驚きだが、HIVに感染した男のリアリティーが本当に凄い。最近観た映画でも、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『インターステラー』、『マジック・マイク』、『ペーパーボーイ 真夏の引力』など、気になった作品には必ず出演していて印象的な役を演じているんだけど、まさかここまでブレイクするとは思わなかった(個人的には『ペーパーボーイ 』の”尻出しシーン”が最強ですw)。まさにマコノヒー映画に外れなし!


●『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
数あるアメコミの中でも比較的マイナーな原作を敢えて映画化した本作は、知名度の低さを逆手にとって、自由自在にキャラを動かしているのが良かった。懐かしの70年代音楽をバックに、最新映像技術を駆使したド派手なSFアクションが繰り広げられるという、絶妙なミスマッチ感覚が最高に楽しい。


●『インターステラー
ガチガチのハードSF超大作かと思いきや、その本質は”親子の愛”と”宇宙のロマン”に満ち溢れた純粋な娯楽映画であった。『2001年宇宙の旅』に憧れたクリストファー・ノーラン監督が、単純なオマージュでは飽き足らず、「自らの力で運命を切り開く見事なヒューマンドラマ」を生み出したのである。残念ながら日本ではあまりヒットしなかったみたいだけど(笑)。


●『ゴーン・ガール
デヴィッド・フィンチャーが撮る映画は、なぜかいつも心に引っ掛かる。長編デビュー作の『エイリアン3』から、『セブン』、『ゲーム』、『ファイト・クラブ』、『パニック・ルーム』、『ゾディアック』、『ベンジャミン・バトン』、『ソーシャル・ネットワーク』、『ドラゴン・タトゥーの女』まで、全ての作品を観てきたが、どれも観終わった後に何とも言えない余韻を残すのだ(個人的には『セブン』、『ゾディアック』、『ソーシャル・ネットワーク』がお気に入り)。

そして本作も、相変わらず一筋縄ではいかない展開が待ちかまえていた。妻エイミー(ロザムンド・パイク)が行方不明となり、夫ニック(ベン・アフレック)は警察の捜査にも協力するが、人気作家だった妻の失踪事件に加熱するメディア報道。果たして妻の身に何が起きたのか?そんなサスペンスフルな前半に対し、後半はガラリと印象が変わってしまう。まさかそんな展開で来るとは…。やはりデヴィッド・フィンチャーの映画は侮れない!

とまあ、上位10作品はこんな感じですかねえ。その他の映画としては、『ラッシュ/プライドと友情』、『LIFE!』、『グランド・ブタペスト・ホテル』、『ジャージー・ボーイズ』、『WOOD JOB!神去なあなあ日常』、『イントゥ・ザ・ストーム』、『イコライザー』、『フューリー』、『複製された男』、『紙の月』、『アクト・オブ・キリング』、『プリズナーズ』、『ルーシー』、『フライトゲーム』、『ザ・レイド2』なども良かった。

まあ、次点の映画にも良作はたくさんあって、『ラッシュ/プライドと友情』や『LIFE!』なんかも普通に”いい映画”でした。ただ、ちょっとベストに入れるには普通すぎるかなあと。『イコライザー』や『ルーシー』なども想定外に(と言ったら失礼ですが)面白かったです。

反対に『アメイジングスパイダーマン2』や『猿の惑星:新世紀(ライジング)』や『マレフィセント』や『ノア 約束の舟』などの、いわゆる”超大作ハリウッド映画”は(それなりにヒットしたみたいだけど)いまいちピンと来なかったのが残念。『アメイジングスパイダーマン2』なんて、もう記憶にすら残ってないよ(^_^;)

しかし、”記憶に残らない”ってのはまだマシな方で、中には観ているうちにだんだん腹が立ってくるような映画もありました。それが今年のワーストに選んだこちら。↓

●『トランス・フォーマー/ロストエイジ
これ、映画自体はいつも通りの”マイケル・ベイ作品”なんだよね。派手な爆発とカーアクションと銃撃戦があって、巨大ロボット同士が戦って、最後は何となくハッピーエンドっていう。それだけなら特に問題ないんですよ(面白いかどうかは別にしてw)。

しかし、この映画が酷いのは、劇中に平気で商品のコマーシャルをブチ込んで来るところなんです。これは「プロダクトプレイスメント」と呼ばれる手法で、商業映画であればどんな作品でもごく自然に行われているんですが、『トランスフォーマー/ロストエイジ』は商品の見せ方があまりにも不自然で、目立ちすぎるんですよ。

例えば、激しいカーチェイスの途中でトラックに突っ込んだら、大量のビールが散乱して主人公がそれをおいしそうに飲み干すとか。あるいは、敵の追跡から逃れてビルの屋上へ上がったら、なぜか冷蔵庫が置いてあり、中から勝手に牛乳を取り出しておいしそうに飲み干すとか。もう完全に飲料メーカーのCMじゃん!

なぜこんなことになったのかと言うと、今回の映画は中国の企業が多額の製作費を提供しているからなのです。つまりビールや牛乳は全部中国製品なわけで、「スポンサーの我々は高い金を払ってるんだからもっと宣伝しろよ!」とばかりにそういう製品がバンバン画面に映り込んでいるのですよ。これって酷くないですか?アメリカ人の主人公が何の理由もなく中国の大手銀行のキャッシュカードを使うシーンなんて、作品の世界観や設定やストーリーをぶち壊すだけで何の必然性もありません。

一番びっくりしたのは場所の問題で、北京で戦っていたはずのロボットが急に香港へ現れたり、香港にいた人物が重慶へ瞬間移動したり、地理の感覚がメチャクチャなんです。これはもちろん中国の旅行会社が参加しているからで、「有名な観光地をもっと画面に映せ!」というスポンサーの意向に逆らえず、無理矢理シナリオを改変した結果、地理的に有り得ない移動を繰り返すことになったらしい。

後でこの事実を知った時は悲しくなりましたよ。「どうして、わざわざ金を払って中国のCMを見せられなきゃならないんだ?」と。ビールや観光地を映すシーンがシナリオ的に何らかの意味を持っているならまだ納得できるんですが、「本当に単なる宣伝のためだけ」となると、もはや怒りを禁じ得ません。まあ、中国国内では爆発的な大ヒットを記録したようなので、今後もこういう手法の映画が増えていきそうな気がするなあ(^_^;)


というわけで、2014年に観た映画をざっくりと振り返ってみました。来年も面白い映画に出会えることを期待しつつ、本年はこれにて締めくくりたいと思います。それでは皆さん、よいお年を!(^O^)/

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